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2023-06

愛されるために - 2011.06.15 Wed


少し、ご無沙汰していました…。
私にしては、珍しくも「どすん」と落ちちゃう日々が続いており、
ブログも、何度も書こうと思いつつ、今日も、重い気持ちを引きづりながら、
PCに向かっています。


もしかしたら、長い話になるかもしれません。



約10日前、知人のAさんから電話がありました。

「2週間前に、貰ってきたトイプーちゃんの様子を見てほしい。」

話によると、Aさんは、そのまた知り合いが、引っ越しの為、保健所へ
連れて行くという、トイプーちゃんを、貰ってきたのだそう。

名前を くーすけ6歳の男の子。



0243.jpg




Aさん宅に来てから、くーすけは、奥さんに可愛がってもらい、
病院にて、諸所の検査などをしました。
ガリガリに痩せてはいたものの、健康状態は、問題なく、
ただ、ワクチンを生後2回しか、打っていない状況でした。

クー助の状態から、元の飼い主のところで、くーすけが愛情を受けてない事は、
このような事からも伺えます。(保健所に連れて行こうとしたわけですし)

Aさん宅で、幸せな犬生を、やり直すはずでいたくーすけでした…。

Aさん宅は、人の出入りが多いお宅で、短時間の庭掃除をするおばさんがいます。

ある日、奥さんは留守で、高校生のお孫さんと、その、おばさんがいる日に、
くーすけは、その、掃除のおばさんに、カラーバットで100回近く、20分くらい
殴られ続けたそうです…。
くーすけは、何もしてないのに…です…。

幸いにもくーすけは、体の怪我はなかった。
けれど、心に大きな傷を負いました。



次の日、ゴミ袋を覗いていたくーすけを、「ダメ!!」と言って、
ゴミ袋を取り上げた奥さんに、唸って、噛みつきました。

奥さんは、怪我をし、このことがショックで、くーすけをケージから
出す事すら出来なくなりました。




どうしたものか…元の飼い主に返そうか…
そんな矢先に、私に連絡が来たのです。



正直に言います。
本当に、私は、関わりたくなかった…。

この時点で、そ知らぬふりをする事も出来たのに、
聞いてしまえば、知ってしまえば、どうしても知らぬフリを出来ない自分を
今は、呪うばかりです。


とにかく、ケージから出してあげなげれば、トイレも出来ず、
ごはんも食べれず・・・。

けれど、どうしてもAさんは、「できない」といい、元の飼い主に返す。と言いました。

元の飼い主に返すという事は、すなわち、保健所行きなのです。

私は、どうかそれだけはやめて下さい!!と、お願いし、

朝と夕方、Aさん宅へ出向き、くーすけの世話をして、
くーすけの傷を癒していきますから。とお願いしました。




くーすけは、とても賢く、一通りのしつけは出来ており、
お手、お座り、待て、などは、きちんとできます。
長時間のケージでのお留守番もできるし、基本ケージを汚すこともありません。
お散歩も、引っ張りもなく上手にできます。

私が、Aさん宅に通い始めて2日目、ボールを買って庭で、投げてあげると
とても喜んで、持ってきました。

「ハウスね」といえば、すんなりとハウスに入るとても良い子です。


ただ、やはり大きな声と、長いもの(ほうきとか、ハエ叩きとか)には、
敏感に、反応が伺えました。
Aさんにも、その事を伝え、私とくーすけの行動を見ていたAさんも、
少しずつ「もう一度、やり直せるかも…」
と思っていた頃でした。

私とくーすけは、夕方のお散歩から戻って、ケージに戻ろうと部屋に入った時、
たまたまケージのドアが閉まっていたので、開けている瞬間、
くーすけが、テーブルの脚に、片足をあげました。


・・・その瞬間、思わず奥さんは、ダメー!!と叫んでしまいました。
くーすけは、見る見る間にパニックになり、奥さんに唸りだしました。

私は、くーすけを落ち着かせようと、「くーちゃん、大丈夫だからね…」と言いながら、
くーすけのリードを拾おうとした時、更に奥さんが、悲鳴を上げ、訳が分からなくなったくーすけは、
私の手に噛みつきました。

さらに、奥さんの悲鳴は続き、私は噛まれ続けました。
激痛の中、必死に声を落として、奥さんに、部屋から出るように言うも、
奥さんもパニックになっていました。

傍らに雑誌があり、それでくーすけを、払いのける事も出来たけれど、
どうしても、そうしたくなかった。

私の手を噛み続けるくーすけの目は、怖くて怖くてどうしようもない目をしていた。






私は、すぐに病院へ行き、手の傷は時期に消えるけれども、
この一件で、Aさんは、もう「くーすけを置いておけない」の一点張りになってしまった。


次の日も、使えない右手で、運転も出来ず、歩いてAさん宅へ。
左手だけで、食事の支度や、散歩をし、ボールで少しだけ遊ぶ。

「どうか、もう少しだけ待ってください。」

・・・・とお願いする。


いくつかのボランティアさんに、くーすけの預かりをお願いしてみたけれど、
どちらも、被災ワンコ達で、手がいっぱいだといわれた。
至極当然の事と理解する。


我が家には、シニアで心臓病持ちが3ワンもいる。パピーもいる。
しかも、他のワンコを受け入れる性格ではない。
くーすけを連れてきて、億が一何かあったら、全てが不幸になってしまう。

けれど、間違いなく、残されてる時間は少ない。
いつまでも、時間稼ぎだけをするわけにはいかない…。



その後、くーすけは何事もなかったかのように、淡々と毎日を送っている。
朝、私を見ると、ケージの中をくるくる回って喜ぶ。

「お散歩行こう」というと、ジャンプして喜んだ。
広場で、かけっこをする。

ケージの傍らにいると、安心して眠った。




ワンコ達を救いたいといいながら、
たった、一つの命でさえ、助けられない。


時間がない。
手段も、あても、考えもない。

もし、もし、くーすけが、元の飼い主の所に戻ってしまったら、
私は、すべてのワンコに対する感情をシャットアウトしよう。


くーすけに、人の手は、殴るためにあるのではなく、
あなたを撫でるためにある事を、知ってほしかった。

ワンコは、人間に愛されるために生まれて来たのに。


日増しに笑うようになった笑顔が、
私にはつらくて、苦しくて仕方がないよ。くーすけ。







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● COMMENT ●

お怪我はいかがですか?

病院へすぐに行くほど噛み続けられたのですね。
後遺症が残らなければよいと願うばかりです。

でもね、小さな子でよかった。
それがもしうちの璃空のような大型犬だったら、
今頃、手がなくなっていたと思いますよ。

>ワンコ達を救いたいといいながら、
>たった、一つの命でさえ、助けられない。
>時間がない。
>手段も、あても、考えもない。

人間の出来ることって限界があります。
限界を超えて何かを成し遂げようとすると、
かならずあっちこっちにひづみが出てくる。

「くーすけ君」は最初のお家で、もしかしたらいなくてもいい子だと思われたのかもしれない。
それをAさんが愛情をかけて家族の一員にしようと思った。
ところが、くーすけ君の犬生の6年をよく知らないAさん宅で、
おそらくワンコをよく知らない庭師オバサンに辛い目に合わされた。

cmkpさんがいなければ、今頃はきっと残念なことになっていたのではないでしょうか?

くーすけ君はcmkpさんに6年分の愛情を貰ったのではないでしょうか?
もしかしたら、はじめて知った愛情だったのではないでしょうか。

運命とか寿命とかって、もしかしたら変えられないものかもしれない。

静かに過ごしたいマー君、お兄ちゃんとして家族を守らなきゃという使命感一杯のカブ君。
人一倍怖がりのポロンちゃん。
そしてまだ赤たんのアロアちゃん。

まずはcmkpさんはこの4つの命を守らなきゃいけないです。

どうか、どこかで1本の線を引いてください。
人を咬んでしまった子はもうトレーニングできないという人。
いやいや、トレーニング次第で平気と言う人。
ただ、現状はそのトレーナーさんを探すことが難しいと思うんですよ。

cmkpさんのことだから、
ありとあらゆる手段でくーすけ君が生活していける場所を探したことでしょう。

なのに、どうしようも出来なくて苦しんでいるのでしょうね。
側にいたなら、その苦しみを半分ずっこできたのにね。
側にいたなら、あのアパートの一部屋をくーすけ君の部屋にして、
一緒にトレーニングできたのにね。

cmkpさんが今しなければならないこと。

1.早く傷を治すこと
2.今まで通り四人の子供たちと一緒にいてあげること
3.自分を責めるのを今すぐやめること

以上の3つですよ。

あのね、くーすけ君を見捨てろみたいな感じになっているけど、
けっしてそうじゃないんだよ。

ねっ。



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カブとポロンの母。h19/2虹の橋へ。私の分身。

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のんきなマイペース。2ワンの父としての威厳はゼロ。
2014年9月15日虹の橋へ。
世界一やさしい子

☆カブ(享年17歳5ヶ月)
H.20/12増帽弁閉鎖不全で余命3日と宣告。9時間に及ぶ人工心肺を使った狭窄形成手術に挑み、生還。 好奇心旺盛な知能犯。
2016年5月16日虹の橋へ。

☆ポロン(享年16歳10ヶ月)
2016年6月20日虹の橋へ。
我が家のお姫様。
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