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2009-11

心臓病の克服 【後編】 - 2009.11.15 Sun

車で向かった先は、かかりつけの病院ではない。
東京に隣接している最新設備のある循環器専門の先生がいる病院。
車を飛ばしても1時間はかかる。

カブはその晩から、ICUの中で入院となった・・・。

入院して3日目、担当の先生から、
「手術をしてみませんか?」と言われた。

先生のお話によると、ある大学病院で、心臓の手術が出来る先生がいて、
その先生が、人工心肺をつかった弁の形成手術をしているとのこと。
手術日を出来る限り早く入れて、なんとかそこまでカブをもたせようと言ってくださった。



真っ暗闇の中に 一筋の光が射した・・・・・・。



だけど、その光は
すぐにぼんやりとしたものに変わってしまった・・・・・。

手術を決断するかどうか、迷ってる時間はあまりなかった。
少ない時間の中、出来うる限りの手術の情報がほしかったけど、
どこをどう探しても、見つからず、やっとヒットした2件の同じ手術をしたワンちゃんは
術後2日目に合併症で亡くなってしまっていた。

再び襲いかかる選択・・・・
手術をしなければ、1ヶ月の命。
でも、家で、好きな物を食べて安心して逝かせてあげれる。

手術を選べば、助かる可能性はあっても、遠く離れた他県の病院で、
カブにとっては寂しくて、不安な場所で訳がわからないまま死なせてしまう可能性もある。

どうしたらいい??
頭がおかしくなっても、どんなにおかしくなっても私が答えを出さねばならないのだ。




2週間の入院を経て
朝6時、私は誰もいない大学病院の待合室にいた。
術前の僅かな時間、カブを抱きしめた。ただ、ただ抱きしめた・・・・。

PICT0007.jpg


この子は何も言わない。
私の選択が、正しかったとしても。 間違っていたとしても。

カブの【命】は私の腕の中にある。
痩せて、2キロにも満たないというのに、腕の中はとても重い。

長い廊下にカブが消えていった後、それまで忘れいた涙がとめどなく噴出した。



===============================================================

7時間の手術は成功した。
術後、ICUの中で、チューブだらけのカブを直視する事が出来ず、逃げ出すように病院を後にした。
術後の合併症・・・・・。

オペをしてくださった先生は、3日間が勝負です。と言った。
毎日片道200キロの道のりを面会に行ったが、電話が鳴るたび怖かった。

一時、腎機能の数値が危なかったものの、カブは山を越え、
クリスマスに退院できた。

強い子だった。

PICT0008.jpg



1ヶ月、3ヶ月、半年、病院での定期健診をクリアしてきた。
来月、1年検診をクリアしたら終了を迎える。

レントゲンの心臓の大きさは半分になり、普通の子と同じになった。
もうお薬もいらず、むしろ、元気だった頃より、元気になった。

来月お祝いをしよう。
ケーキを食べよう。
旅行をしよう。

そして、そして全ての人に、全てのものに、全ての事に感謝していこうと思う。

画像 409















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心臓病の克服 【前編】 - 2009.11.15 Sun

画像 489


この日記には
ちょうど去年の11月の事が書かれている・・・・・。



カブ9歳。
11月5日、増帽弁閉鎖不全 急性腱策断裂

そして・・・・
余命宣告1ヶ月。




増帽弁閉鎖不全という心臓病は左心室から左心房へ送り出す血液を、
逆流させない為の「弁」であり、その弁をつないでいる何本かの腱策が切れてしまうこと。

小型犬の宿命といわれるこの病気は老化と共に進行するが、
進行を遅らせる為の投薬はあるが、発症してしまえば、治療法はない。

突然の呼吸困難。
カブは弁の腱策、全てが切れてしまい、肺水腫と心肥大を起こしていた。



以下その時の日記より抜粋

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11月5日
呼吸が荒く普通ではない。21時先生にTEL。来院。
心臓病からの肺水腫。利尿剤の注射2本。
大量のお漏らし。
===================================================================
11月6日
朝来院。
利尿剤の効果で肺の水は抜けた。
先生から説明。次の発作が起これば危険になると。
どうすれば回避できるかと何度も聞いたが、遠まわしな回答しかしてくれない。
どうして?
何かあるはず。危険て何?意味が解らない。
突然なんで? 意味が解らないよ!
===================================================================
11月7日
深夜2時、咳の発作から再び酷い呼吸困難。
利尿剤を打つ。
カブの心臓は「今止まってもおかしくない状態」と。
苦しくて、眠ることも出来ないカブ。
どうすればいい??
先生はもうやれる事がないって言う。

後頭部の方から「諦め」という言葉が襲ってくる。
何かしなきゃ・・何かしなきゃ・・・何か、あるはずなんだ。

夕方また、利尿剤を打ちに行く。
===================================================================
11月8日
ホームセンターの棚にある酸素スプレーを全部買ってきた。
観葉植物のビニールハウスをカブのベッドに被せて、母と交代で酸素をスプレーしたが、
30本があっという間に無くなった。

ネットで、酸素ハウスがあるのを発見し、無理を言って、代理店まで取りに行く。
酸素ハウスの中は楽なようで、少しだけ眠ってくれる。
アトは食べてもらえれば、元気になるよ。絶対元気になる!!

PICT0001.jpg

===================================================================
11月9日~11月17日
酸素ハウスの効果か、この期間酷い発作はなかった。
発作が深夜に起こる為、1時間おきにハウスの温度を調節する。
私もほとんどまともに寝てないのに、辛くは無かった。

発作は起こらないが、食事をあまり食べず、元気はない。
衰弱していくように、体重は落ちていった。

漢方薬からサプリメント、食材からお守り。電話相談から怪しげな物まで、
手当たり次第になんでもした。

少し暖かい朝、抱っこをして、いつも散歩に行く近くの公園へ行った。
毛布にくるまれたカブの耳元で、私は静かに言った。

「必ずよくなるよ・・・」

===================================================================
11月18日
深夜2時。
今までよりも酷い発作。
体力も無い状態の発作。

直感・・・・・・このままでは
この夜を乗り越えられない

この日に限って、病院の電話は何十回かけても留守電のまま。
カブは伏せの状態で、僅かな酸素を吸うためにもがいている。
たすけて・・・たすけて・・・・誰か
神様、何でもするから、私の心臓をおかしくしていいから・・・・・おねがい!

諦めたくない、まだ諦めない・・・・

最後の留守電は、私の悲鳴に近い録音のまま、
カブを毛布にくるんで車を飛ばした。

ひどく寒い・・・
車のエアコンをMAXにしてるのに
アクセルを踏む足の震えは何故か止まらなかった。



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ありがとうございます

プロフィール

camp-k

Author:camp-k
☆チャーシュー(享年17歳6ヶ月)
カブとポロンの母。h19/2虹の橋へ。私の分身。

☆マーク(享年17歳9ヶ月)
のんきなマイペース。2ワンの父としての威厳はゼロ。
2014年9月15日虹の橋へ。
世界一やさしい子

☆カブ(享年17歳5ヶ月)
H.20/12増帽弁閉鎖不全で余命3日と宣告。9時間に及ぶ人工心肺を使った狭窄形成手術に挑み、生還。 好奇心旺盛な知能犯。
2016年5月16日虹の橋へ。

☆ポロン(享年16歳10ヶ月)
2016年6月20日虹の橋へ。
我が家のお姫様。
生涯天然のぼんやりキャラ。


☆アロア(5歳)
3ワンシニアーズの教えをすべて背負って新世界へ!!            

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